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あ や し い 書 簡 箋

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馬を喰らう穿ち

静岡県下駿河国富士郡万野村より、東南におよそ1里。字アンモ山と云う禿山あり。万野村の農・川村治平なる者、一頭の馬を牽き、秣刈(まぐさか)りに行きたる処、生い茂る葎(むぐら)の中に、一尺四方ばかりの穿(うが)ちありて、誤りて馬が前足を辷(すべ)らし込むや否や、其の穿ち、忽(たちま)ち、鳴動(めいどう)して、看る々九尺四方程の大穴となり馬は其処に陥りしに、深さ如何程なるを知らねど馬は無事と見えて微かに嘶く声聞こえれば試みに食を与へんと秣を投げ込みしに穴の中より風起こりて投げ込たる秣草を虚空はるかに吹き上げるに治平は大いに驚きを猶ほ、試みんと木石を投げ込めば風益々起り、鳴動いよいよ烈しく天地を砕くるばかりの凄まじき有様となりければ馬もそのまま捨ておき命からがら逃げ帰りて右の始末を直ちにその筋へ届け出しと。

 

自由新聞・明治17年10月31日掲載

 

 

駿河国万野村農民・川村治平。山中に秣(馬用の餌草)刈りに出向いた時に起きた玄妙事件。葎の生い茂る山中に約30cm四方の穴が開いていた。同行の馬が足を滑らして穴に落ちた。

すると、穴が咆哮(ほうこう)し、風が起り、たちまち大きさが2.7m程に広がった。余程の深さで下が見えない。馬は呑み込まれ、咆哮激しく…。恐れ慄(おのの)いた治平は馬を其の儘(まま)で、逃げ出し、警察に報告した。

 

明治時代の新聞に掲載された不思議な事件であります。

 

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