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争乱の時-第18話 魍魎の乱(2)

須佐妖戦帖.jpg

 

少し時間を戻した出雲である。
「武角」
「はい、須佐之男さま」
「お前は姿を消すことは出来るが空間移動はどうだ?」
「出来ません。何でも身体を原子と云うものに戻して、空間を曲げて遠くへ移動させるのだと聞いてますが・・・無理ですね。須佐之男さまのを何度か視ましたが、空間の捻れから姿を表します。そんな術は無理です」
「お前なら、ちょっとしたコツで出来るさ。教えよう」
「須佐之男さまの直伝ですか?あ、有り難き幸せです」

数日間、魔を待つ間に夫々(それぞれ)が、術の習得やら戰さの心得などを学んだりしていた。土壙(穴を掘る)し、罠を仕掛けたりもした。土壙と云っても只の落とし穴では無い。下には地獄の釜が待っている。
「武角、お前に此れを渡そう」
「こ、此れは天蝿斫剣(あまのははきりのつるぎ)!」
「そう、色々な名で呼ばれているが、通常は、十拳剣(とつかのつるぎ)。八岐大蛇を抹殺した剣。蕨手刀(わらびてとう)だ。力量(パワー)が違う。少し重いが、お前なら使いこなせる筈」
「須佐之男さまの、かつての愛刀ではないですか!」
「俺には草薙剣がある。日本武尊(やまとたける)と共に在る」


「あの音が聞こえるか?武角?」
「はい、臭気もします」
「武角!来るぞ」
武角は雄叫びを上げた。「皆の者!よいか?!」
「おおーーーー!」

 

ズズズズーーーーーーー


地響きがした。空間がバリッと割れて物の怪共が這い出て来た。
空から四頭の竜が星の数程。飛翔している。


ぐあああ!ぎゃあああ!

どどどっどおーーーー!!


土中から陰惨な魔物共が姿を表した。

其の時間は神戸と同時刻。

須佐たちはある者は大八咫烏に股がり、ある者は山中を脱兎の如く走り飛び去った。
「麒麟(きりん)!」役小角は麒麟に股がり空に飛び去った。
其の後を天狗族が追った。


「始まった・・・・」村で見守ったのは服部半蔵保長である。出雲に保護されて三百年あまりが経った。
まだ戦士としては、うら若い、戦場には出せない童子たちを守る役目だ。
部落自体は電磁波で守られてはいる。

 

空が貪よりと曇り始め、雷雲が響(どよ)めいて来た。

「土中から這い出て来る、あれは何だ?」
「視た事も無い化け物ばかりだ」須佐たちは用心した。視た事も無い・・・と云う事は力もわからない・・・と云う事だ。

山中を走っていた数人の須佐が1つ目の魔物を前にした。蛸(たこ)の如き、吸盤の付いた手を10本程振り回し、1つ目の巨体だ。

空には不気味な魔物が居た。


空間に開いた大きな牙の口。
「何だ?あれは?」終始、蠢(うごめ)いている。消えたかと思うと違う場所からまた出る。
「あれは別空間から一部身体を出している物だ」

 

双頭の蝙蝠(こうもり)のような古代の恐竜のような物が無数に飛び回り始めた。地上には蟲のような魚のようなものが無数に走り回っている。

悪魔のような様相、背に羽があるものは空を不器用に飛び回っている。無いものは地上を走り回っていた。

 

「まだ、来るぞ!須佐共!」


遠方から角の生えた蝙蝠に乗って若日子(わかひこ)がやって来た。

「若日子ーーーー!!」

其の直ぐ後ろに麒麟に股がった役小角が若日子を捉えた。杖から一閃の電磁波を射した。

 

ズバン!

 

「小角ーーーー!」
「若日子、御主も元天孫なら卑劣なやり方はするな」
「卑劣だと?」
「しみったれた工作などするな。堂々と来い!いや、違うか。天孫などでは無いな。お前の望みは、下劣な化け物の大将ってところか」
「只の錬金術師の分際が!一斉攻撃だ!行けーーー!」

 

再び神戸。
神戸港はひっくり返っていた。

佐助が皆に云った。「どっちにしろ、慶喜公は1つやっかいな問題が解決したな」
「何のことです?」
「欧米列国の支配だよ。奴らは昔から幾度も日の本を狙って来た。元寇。基督(キリスト)教の宗教活動からの支配狙い、秀吉はキリシタン弾圧で此れを粉砕した。今回は商売と偽って武器の輸出からの支配。エゲレス(イギリス)は長州に戦争を仕掛けて勝ったが薩摩に破れた。それが第一の失敗だ。ペルーの開港も幕府は幾度も条件を携えてYESと云わず時間稼ぎをした。そして幕府も従うしか無いと思い、各国が私欲を携えて神戸港に来れば・・・此の有様」
「幕府の計画ですか?」
「まさか!違うさ」
「何故?そうなるのですか?」
「俺にも解らん。が、中国や韓は外交調査をしていなかった。昔、信長の時代でも日の本は先刻承知していた。江戸の鎖国時代でもそうだ。そんな事が日本を守って来たことは確かだ。其れと・・・」
「其れと?」
「舞!皆!左右に拡散しろ!正面は空から白狐軍が波状攻撃を加えるぞ!」

 

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