能面.jpg

あ や し い 書 簡 箋

| CALENDAR  ENTRY  COMMENT  CATEGORY
ARCHIVE  LINK  PROFILE  OTHERS  RECOMMEND
「須佐妖戦帖」観覧について

昨年、素人短編小説もどきを書きました。

「須佐妖戦帖」です。

須佐ノ男と古代から生き続ける天(あま)の力を持つ時空の忍者集団の話です。

約1年間を通して書いていました。

シリーズで5作。現代版の完結編は筆休み。

中でも「志能備の須佐」「マッカーサーの憂鬱」が、よく読んでいただいたみたいです。

「志能備の須佐」と「マッカーサーの憂鬱」は歴史上の実在の人物と史実を絡めた話でした。

此の2つは須佐忍者軍団が中心の話です。

Blogでは検索しずらいと云う問いがありました。

Blog内下のsearchがあります。書き込み欄に下記の様にコピペしてください。

シリーズ毎に一気に読めます。

蠢(うごめ)く闇

仇せし魔

志能備の須佐

マッカーサーの憂鬱

真怪

因(ちなみ)に内容は、

「蠢(うごめ)く闇」明治時代に現れた八岐大蛇との攻防

「仇せし魔」明治時代・金毛九尾狐の復習

「志能備の須佐」戦国時代の織田信長軍団との攻防

「マッカーサーの憂鬱」戦後GHQ連合軍との攻防

「真怪」大正時代の宇宙生命体との攻防

素人の書き物なので内容を随分と簡略化しました。其のせいか話足りない部分を感じています。

此れで大丈夫だと思うんですが...よろしくお願いいたします。

1話1本にしろ!HP公開にしろ!と云う意見もありましたが、其れ程読みたい?と、わたし自身が懐疑的であります。

最近、更新もおぼつかないわりに安定したアクセスをいただいており、有り難く思っております。 

| 06:09 | 須佐妖戦帖 | - | trackbacks(0) |
[須佐妖戦帖] 真怪 あとがき


此の物語に関してあまり書くことが見付からなかった。で、下記の事を書いておきます。

此の物語は時間が彼方此方に飛んでいる。ややこしいので柳田国雄の経歴を載せておきます。全てのシリーズを読むと納得していただける筈です。

○柳田国雄プロファイル
1875 明治8年 東京文京にて誕生

1893 明治26年 国雄18歳 阿鼻(あび)大学考古学科入学 考古学教授・長谷川亮一に師事

1897 明治30年 国雄22歳 阿鼻大学考古学科卒 国雄、阿鼻大学研究生

1901 明治34年 国雄26歳 阿鼻大学講師 

1904 明治37年 国雄29歳 ※「八岐大蛇 諏訪戸場・尻尾村 蠢(うごめ)く闇事件」

1908 明治41年 国雄33歳 ※「白面九尾狐 東京府文京  仇(あだ)せし魔殺人事件」

1909 明治42年 国雄35歳 結婚 長男武雄誕生、佐助と妻・春子と共に須佐部落へ

1912 明治45年・大正元年 国雄37歳 助教授昇進

1913 大正2年 国雄38歳 ※「真怪・反物質生命体」 須佐之男昇天 他多くの仲間を失う。

1918 大正7年 国雄41歳 長谷川亮一教授、阿鼻大学学長昇進 国雄、教授昇進

1919 大正8年 6月6日、井上円了死去

1923 大正12年 9月1日正午2分前、関東大震災 国男自宅火災半焼

1928 昭和2年 国雄52歳 副学長昇進

1929 昭和4年 国雄54歳 妻・春子、病にて死去。子は武雄のみだった。恩師・長谷川亮一死去。 大学を辞職 皇宮警察より要請、自らの研究手記を纏めにかかる。

1930 昭和5年 国雄55歳 息子武雄20歳医学生にて結婚。同居
※「マッカーサーの憂鬱」ボナー・フェラーズ自宅来訪、自手記本を渡す。

1936 昭和11年 孫隆誕生

1937 昭和12年 国雄62歳死去

1938 昭和13年 フェラーズ来日、国雄の墓前を見舞う。武雄に門前払いを喰う。

1941 昭和16年 12月真珠湾攻撃 日米戦争勃発 

1945 昭和20年 3月、東京大空襲 自宅全焼により柳田家、何もかも失う。佐助が面倒を視る。皇室より国雄の経歴に感謝の意味にて柳田家に奨励金を贈与。
8月、広島、長崎に原子爆弾投下。須佐武角、出雲部落より広島のきのこ雲を視る。 
9月、マッカーサー来日。須佐、マッカーサーに厚木飛行場にて手裏剣を放つ。其の後、出雲にて須佐一族、連合軍と抗戦、連合軍に大打撃を及ぼす。須佐之男見参、32年ぶりの復活。
天皇、マッカーサー、米国大使館にて対談。マッカーサー、須佐の影に脅えながら天皇の真意を測る。須佐に怨みを持たれない様、日本統治を推進する。

1946 息子武雄36歳医師、孫隆10歳 ボナー・フェラーズに会う。フェラーズ、隆に祖父・国雄の手記を返す。フェラーズ帰国。
孫隆、須佐之男に会う。須佐之男、隆に何かの力を分け与える。

1960 昭和40年 孫隆24歳結婚

1961 昭和41年 曾孫(ひまご)隆一誕生 

1979 昭和54年 息子武雄69歳死去、子は1男2女 孫隆43歳、曾孫・隆一18歳に祖父・国雄の手記を渡す。

1996 平成元年 曾孫隆一35歳 結婚 隆一は国雄に祖っ繰りだと云われる。

1997 平成4年 玄孫(やしゃご)長男・武速(たけはや)誕生。

2000 平成7年 次女・武乃(たけの)誕生。

2016 平成28年 玄孫(やしゃご)武速(たけはや)19歳。隆一55歳、武速に国雄の手記を渡す。佐助と武角、武速と武乃に会う。新たに皇宮図書館の在書を渡す。

国雄から4代目子孫。玄孫(やしゃご)長男・武速(たけはや)、次女・武乃。
国雄が須佐之男に関わってから110年が経過していた。

信長と須佐の対決「志能備(しのび)の須佐」は、妖戦帖の古い歴史であります。国雄は皇宮警察に赴いて佐助へのインタビューから記したものです。インタビュー時期不明。
尚、須佐武角は出雲須佐部落の部落長。佐助は皇室に赴くまで副部落長であった。武角は部落長であるが故、あまり外事件には関与していない。
国雄と須佐の書は、未だ幾つか存在するが未完成のまま、国雄は死去した。国雄は生前、昇天し、復活した須佐之男には結局会えず終いで逝った。
幾つか謎の箇所がある。其れは何時かまたの機会に。
| 16:49 | 須佐妖戦帖 | - | trackbacks(0) |
[須佐妖戦帖] 真怪 其の17-清風明月是レ真怪也


佐助や須佐、白狐、護法魔王尊(鞍馬天狗)、建御雷(たけみかづち)、陰陽師達が三連筒寺の庭に戻った。夜になっていた。
「佐助さん!皆さん!無事だった!・・・けど、やけに帰りが早いなあ」柳田は感嘆した。
「800万光年先の宇宙ですよ。時間経過が狂うそうです。で、タイムワープしたんです」
「タイムワープ?」柳田は何かSF小説で読んだかな?と思った。
「ネビルはタキオンを使ったそうですよ」
「タキオン??? 何でも善いけど、善かった、善かった」
「他の連中は自分の土地に転送されたみたいです。先生に報告したい者が此処に来たんです」

「で、反物質は?」井上が聞いた。
「地獄送りです。一兆年の刑です。須佐之男殿がネビルのブラックホールで追放しました」
「殲滅(せんめつ)は?」
「無理です。1つ1つ小さな破片にして宇宙空間で小さい対消滅を起こすしかない。其れでも大きな爆発が起こる。途轍も無い大きさでした。粉々にするより、異世界に追いやるのがはじめからの計画でした」

「須佐之男は?」柳田は辺りを見渡した。
「先生・・・彼は死んだの・・・・」白狐は遠慮がちに云った。
「大ヤタと転輪聖王を借りたのは力が大き過ぎたのです。恐らく須佐之男殿は知っていたのでしょう。大ヤタは喰えない奴だ。知ってて力を貸したんだ・・・」佐助は空を見上げながら悔しさを押さえていた。
「須佐之男が・・・・須佐之男が?・・・まさか?・・・」柳田は膝から崩れ落ちた。
「須佐之男が・・・・」

《佐助殿たち・・・》ネビル僧が本堂から出て来た。
《須佐之男殿を失ったとは・・・私たちはなんと申し訳ないことを・・・》
「ネビリャン殿、覚悟の上です。人工天体のお仲間たちも詫びていました。素志て、此の宇宙を支配しようとしたことを反省していました。地球にしたことも」
《転輪聖王は?》
「声を聞きました」
《声を?!!!》ネビル僧、井上、柳田はぶっ魂消た。
井上は、しどろもどろになって「さ、佐助さん、あなた方、転輪聖王に会ったと?」
「会ってはいません。宇宙空間にこだまする声でした」
「あれは確かに転輪聖王」白狐や天狗が確信を持って云った。
「そんなものが本当に存在しているのか・・・」井上は自分の研究が小さく視得て来た。

「彼は何もしていないと云っていました」
「どういうことですか?」
「此の三千世界には自然の摂理と云う正体不明の力がミクロの世界まで及んでいるのだと」
「自然の摂理・・・」
「世界を形成する力なのでしょう。君臨して世界を壊そうものなら、自然と間引きされるのだと。異世界でも働いているのではないかと思います」
「確かに此の世界は不思議なバランスで成り立っている。我々は其れを神の力とかと云っている」井上は論した。
「神の力とかでは無いのだと云うことです」
「八百万(やおよろず)の神・・・日本は八百万の神が舞い降りる神国・・・と云う言葉があります。自然にまつわる全てには神が存在していると。此れは迷信などでは無く、真理なのだろうか?」
「日本は元々、自然豊かな國です。大和武尊が謳ったように」

倭(ヤマト)は 国のまほろば
たたなづく青垣  山隠(ごも)れる 
倭しうるわし
ー日本武尊ー
倭は 真秀(まほ)なる国どころ 
たたみ連なる青々に垣 その山々に囲まれた 
倭こそ美しい

「草薙剣は熱田神宮に戻ったのではないかと思います」佐助はそう思った。
「大和武尊と草薙剣・・・」井上は感無量だ。

柳田は四つん這いになりながら泣いていた。
「先生・・・・」佐助はそっと肩に手を置いた。
「転輪聖王が云っていました。須佐之男殿は甦ると。自然の摂理でそうなると」
「え?・・・其れは何時?」
「解りません。しかし、必ず何時か復活しますよ」
「わたしも高齢だ。また会えるだろうか?」
「きっと会えますよ」佐助は笑ってそう云った。
「しかし、転輪聖王はこうも云った。反物質生命体も自然の摂理で此の世界に再び現れるかもしれないと」
「其れは何時?」
「まかさと思いますが・・・・56億7000万年後・・・・」
「マイトレーヤ・・・弥勒菩薩(みろくぼさつ)が降臨する未来?釈迦の後継者。兜卒天で修行中の」
「はい、56億7000万年後に現れて人々を救うと云う菩薩。素志て聖書に云うハルマゲドン(最終戦争)・・・此れ等は此の事かもしれない」
「56億7000万年後なんて時代に人間は生きているのかな?」
「ふと思っただけですよ。柳田先生。今の処、気になる予言らしきものは此の2つ」

老狐幽霊非ス二怪物ニ一、清風明月是レ真怪。
(老狐、幽霊は怪物にあらず、清風明月、これ真怪なり)
ー井上円了

「柳田先生、わしゃ貴方が好きに成った」鞍馬天狗は今回の戦いで、初めて柳田と会った。
「全国の天狗衆にそう云っておこう。柳田先生は好人物だと」
「武雄と春子(長男と妻)にも会ってやってください。天狗の王と随になったなど誇らしいですよ」
「おうよ!」
「あら、井上先生も好きよ。私たちを理解してくれてるもの!」王子の白狐が気を使った。
「そうじゃ!そうじゃ!わははは」天狗の高笑いだ。
「人間って素敵よ。木藤さんも好き!イケメンだし、男らしいし」
「白狐殿は気が多いのぉ。わはは」

「井上先生、柳田先生、東京に帰りましょう。天の匣舟で送りますよ」
《皆さん、お元気で》
「ネビリャン殿、お元気で。そうそう、ネビルたちの星は何処なんですか?」佐助は思い出して聞いてみた。
《あの星です》そう云って夜空を指差した。
其れは北極星。
《北斗七星にも居ますよ》
「北極星と北斗七星・・・北斗信仰とは・・・・此の事か?」柳田は一人思った。
「謎は謎のまま多くの疑問で終わってしまった。素志て多くの人が死に、須佐之男軍団は須佐之男を失い、多くの仲間も失った。白狐殿たちは潜在意識の中で転輪聖王を知っていたらしい。彼等は転輪聖王から精神の奥底で使命を受けているのかもしれない・・・」
柳田は更に思った。
「櫛名田比売・・・・・・あなたは・・・・」
「柳田先生、あなたとは長い付き合いになりそうだ」井上は晴れ晴れと、そう云った。

天の匣舟は皆を乗せ、夜空に旅立った。


追伸
佐々木鑑識官、木藤、前田、玉井、佐々木刑事(佐々木鑑識官の甥)は佐助と柳田に呼び出されて皇宮警察を訪れ、今回の事件の真実と詳細を聞いた。奥多摩署や奥多摩地域の抗戦の後始末やらを話し合った。
奥多摩のブラックホールの破片を其の後、科学者が調査した。其れは地球外の金属としか思えないと云う結論。素志て軍が辺り一面に広がった破片を事細かに持ち帰った。警察と國は大竜巻の発生災害と云う発表をした。隠蔽であります。
木藤の報告書は闇に握り潰された。
木藤は「俺は亡く成った奥多摩地域の人々、東洋大学の学生達が可哀想だ。親が可哀想だ。少なくとも俺は遺族に真実を話す」と述べた。
「木藤刑事、気持ちは解ります。ですが警察関係者が暴露したら混乱が生じるだけだと思います。証言出来る学者は、異端考古学者と妖怪博士ですよ。先生、失礼!」
「其の通りです。木藤さん、誰も信じないでしょう」
「しかし、他に証言者や証拠はある。理解ある科学者が居れば、何時か必ず暴かれますよ」
そう云って匣からブラックホールの破片を出した。
「其れは何時?」
「解りません」

[須佐妖戦帖] 真怪 完
あとがきあり
| 22:54 | 須佐妖戦帖 | - | trackbacks(0) |
[須佐妖戦帖] 真怪 其の16-真怪


「咆哮(ほうこう)が宇宙に響いた・・・何故だ?」
空気の無い宇宙空間では音は伝わらない。
「感応だ。感応なら宇宙に響く・・・と云うより頭の中に響く。距離は関係ない。此の宇宙でも距離は関係無いのか?響くのなら外宇宙の生物が聞いたら其れは恐ろしいに違いない」
姿も視得無いものの咆哮・・・・何処から聞こえて来るのか?知的生命体が聞いたら身震いするだろう。

「化物!貴様は転輪聖王だと云うのか?」

{転輪聖王様から意思と知恵を頂いた}

「何故?」

{ネビルなどと云うゴミの生命体が宇宙を支配しようとしたからだ。此の宇宙は転輪聖王殿が作った。勝手な真似はさせない。無に帰す・・・そうお決めになった。儂(わし)は増殖を続ける限り、不死だ。不死と知恵を授かった。其れは何だ?}

「地球で云う聖書の話か?其れは神と等しくなる」

{だから儂は神だ}

「馬鹿め!アダムとイヴは其れで罪を追われ、エデンを追放されるのだ」

{儂は転輪聖王殿から力を授かったのだぞ。此の宇宙を裁くものとして}

「勘違いするな!お前は存在しては無らぬ真怪だ!何が不死だ。抹殺する!」

{転輪聖王殿の意思に背く気か?!}

「転輪聖王だと?くそくらえだ!此の三千世界は誰のものでも無い!」

{転輪聖王殿を敵に回すとは、何と云う愚かさだ!}

然う云うと反物質生命体は無数の特大の砲炎と電磁砲を須佐之男たちに放った。

「総攻撃だ!皆の者!気を発して潰せ!」

数万の妖怪やらが一斉に気を発した。すると砲炎と電磁砲が曲がって反物質生命体に向かって行った。
素志て自ら発した砲炎と電磁砲を浴びた。

{ぐわああああああーーーーー!}

「視ろ!可成り小さくなった。ネビルよ。ブラックホールを最大の出力にしてくれ」

ぐおおおおおおおおん。

「皆の者、化物をネビルのブラックホールに移動させろ」

反物質生命体は数万の須佐之男軍団の「気」によって少しづつブラックホールに寄せられた。

「お前の知らない別次元の宇宙に送ってやる。我々が知ってる宇宙。地球では地獄と云う。1兆年の苦しみの刑だ!天罰!」

{おのれーーーーーー!!!}

反物質生命体が宇宙空間の重力を彼方此方狂わせ始めた。
宇宙は微妙な距離感の重力に寄って星々が成り立っている。其の重力を意図的に狂わすとどうなるか?星々がぶつかりあったりして、一気に破壊される。

《反物質生命体がこんなことをするとは!》ネビルたちは焦った。人工天体さえ歪み始め、ブラックホールの力が弱まった。

{此れが転輪聖王殿の力だ!}

「まずい!」須佐之男が覚醒した。

ずおおおおおおおおおーーーーーーーー。

全身から大きな気が発せられた。其れは眩しいばかりの光となって反物質生命体を覆った。大ヤタの力だ。
「視得た!転輪聖王の一部が視得た!」
須佐之男は転輪聖王の力も借りた。

ずおおおおおおおおおーーーーーーーー。

「皆!逃げろ!巻き込まれるぞ!」佐助が仲間全員を移動させた。

ずおおおおおおおおおーーーーーーーー。

其れは途轍も無い大きさだ。天体をも覆う大きな気の光だ。其の光の気が反物質生命体に発せられた。

ごわおおおおおおおおおーーーーーー!!!

{ぐわああああああーーーーー!}

光の気が反物質生命体を覆った。爆発は無い。しかし、どんどん小さくなり力が弱まった。


反物質生命体は叙叙にブラックホールに追い詰めら、素志て・・・・吸い込まれた。
辺りに静寂が戻った。

「やった・・・・終わった・・・・勝ったぞ・・・」

人工天体はブラックホールを消した。

須佐之男が取り逃がした重力波はオリオンの彼方に飛んで行った。何処まで飛ぶのか確かではない。しかし、例えば100年後には、オリオンの何処かの星に影響を与えるだろう。超新星爆発のように視得るかもしれない。素志て反物質生命体の破片が彗星となって宇宙に飛び散る。其れは大気のある惑星の圏内を通過すれば爆発・・・燃え尽きてしまう小さな破片たち。地球に多少の影響を残すが問題は無い。人々は其れを「オリオン流星群」と銘々するだろう。

《終わった・・・須佐之男殿、有り難う。須佐之男殿?》
「須佐之男殿、須佐之男殿。応答が無い・・・生気を感じないぞ」佐助は須佐之男を探した。
数万の軍団が須佐之男を探した。
「須佐之男殿、須佐之男殿ーーー。居ない・・・」

軍団達はネビルの人工天体内に転送された。

「ネビル殿、須佐之男殿は?」佐助や天狗が聞いた。
《データを感じません・・・》
「須佐之男殿!何処に行った?」
《昇天したと・・・思われます・・・》
「死んだ?まさか、須佐之男殿は不死身の神だ」
《彼の魂は武速須佐之男命ですが、肉体は人間の少年です。あの力は肉体の限界を超えたのでしょう》
「まさか、まさか・・・我々はどうしたら善い?須佐之男殿が居なければ、誰が此の先、此の日の本の軍団をまとめる?・・・う、う・・・」
須佐之男軍は皆、動揺し、悲しんだ。

〈其処の者達よ〉

空(くう)から声がした。其れは空と云うより宇宙空間から聞こえるようだった。
「誰だ?」ネビルも須佐之男軍団も辺りを宇宙空間を見回した。

〈私は転輪聖王だ〉

「本当か?」

〈本当だ。君等、生命体と話すのは何万年ぶりか・・・君達は知能が発達しているな〉

ネビルも須佐之男軍団も理解した。数万年・・・・確かに忘れかけていたが此の声を聞いた覚えがある。
白狐が佐助に伝えた。「佐助、あなた方は知らないでしょう?数万年前は存在していなかったから。あの声を聞いたことがあるわ。古い者たちは理解した。あの声は転輪聖王よ」
「地球は石器時代だ・・・」
白狐たちは潜在意識で怖れているようだった。

佐助はおかまい無しだ。ぶしつけに聞いてみた。
「転輪聖王。何故、あのような破壊物に意思と知恵、不死を齎(もたら)した?」

〈君は須佐佐助・・・妖術使いの志能備(しのび)一族だな。元出雲副部落長の・・・〉

「こいつ・・・何でも知っている・・・千里眼だ」

反物質は古代、宇宙創世時で無く成ったものだ。此の宇宙の創世は物質と反物質の対消滅によって齎された。衝突により巨大なパワーが生まれ、数十億年掛かり、残った物質が冷えて星雲やらが出来た。其の星々の有機体から生物が生まれた。あの反物質は人工によりネビルが復活させた〉

「知っている」

〈佐助たちよ。考えてくれ。此の宇宙は自由なのだ。わたしが束縛出来るものではない〉

「自由が何故?破壊物を生む?」

〈佐助たちよ、考えてくれ。此の三千世界には相対するものが必ず存在している。物質には反物質。君たちの星には須佐之男命やらと魔族、生物の繁栄に対して自然の脅威。数えきれば限りない〉

「つまり、破壊と構築、正義と悪は共存する運命だと云いたいのか?」

〈正義?悪?其れは君たちの主観だ。此の宇宙では通じない。一方の繁栄は有り得ないように出来ているのだ〉

「お前がやってることだろう?」

〈違う。其れを伝えるために、わたしは話している。ネビルよ、お前たちは生物として知恵の限界を超えた〉

《わたしたちが・・・?》

〈そうだ。お前たちには天敵が居ない。其の科学力に於いて何処までも繁栄することが出来た〉

《そうです。天敵は武器に依って殲滅して来た》

〈此の宇宙は自然の摂理で出来上がっているのだ。つまり、一部のみ繁栄すればバランスが崩れるため、其の繁栄物を間引く〉

《では、反物質生命体に命を吹き込んだのは・・・貴方では無いと?》

〈宇宙の、自然の摂理だ〉

「其の自然の摂理を動かす者は何者だ?」

〈そんなものは居ない。君たちが使う「気」も其の一部だ。形も魂もない。物質でもない〉

「う・・・簡単なことだった。悪は滅びる・・・などと云っていたが、其の意味が今、解った。一人勝ちは許されないのだ。弱者に対しての慈悲などでは無い。宇宙のバランスなのだ」

〈其の摂理は此の宇宙の端々、ミクロの世界まで及んでいるのだ〉

白狐や天狗が覚った。「地獄や天国、我々は慈悲や怖れが存在するように見せ掛けるための要員か?あなたがそうさせたのか?」

〈君たちは慈悲以上のことをしているじゃないか。わたしは美しいと思っている。其の邪魔はしない。わたしは君たちの敵でも味方でもない。存在・・・だけだ〉

「須佐之男殿はどうなった?」

〈須佐之男は昇天した。しかし、何時か彼は復活する。其れも自然の摂理だ〉

「八百万(やおよろず)の神・・・自然神・・・」

〈其れ等が復活を願い、施(ほどこす)すだろう。素志て必要とあれば反物質生命体も復活する・・・〉

「全ては自然の摂理か・・・」

〈釈迦と云う僧、ナザレのイエス・・・地球に於いては彼等が自ら覚った先駆者だな〉
然う云うと大いなる声は消えた。

《あなたたちにお礼と謝罪をします》ネビルはそう云った。
「我々を地球に戻してくれ」
《此の侭では戻せません。地球では数百年経ってる。タキオンにタイムループを使います》
「タイムループ?」
《貴方たちが居た時間に戻して転送します。時間と場所の希望はありますか?》
「三連筒寺へ。時間は我々が飛び立ってから半日後だ。あまり早く帰ると先生達が魂消る」
《解りました。では》
「ちょっと、待ってくれ。あなたたちは外宇宙に逃げたと云っていた。住星は何処なのですか?我々に理解出来る場所ですか?」
《理解出来ます》然う云うとネビルたちが微笑んだ。

数万の須佐之男軍団は一気に地球へ転送された。

次回終章
| 09:18 | 須佐妖戦帖 | - | trackbacks(0) |
[須佐妖戦帖] 真怪 其の15-決戦


反物質生命体の隠れ家、其の異世界を見つけ出すのは大ヤタの力だ。
「視得る・・・個々の反物質の居場所が視得る」須佐之男は大ヤタの力を実感していた。
《須佐之男殿、対消滅と云うと同じ物質同士の爆発と思えますが、物は選びません。衝突したものは全て対消滅を起こします》ネビルが注意を施した。

1つの異世界に佐助の部隊が転送された。
「皆の者、反物質に触れれば対消滅が起きる。奴は体当たりして来るだろう」

○質量とエネルギーは等価であり、E=mc²の等式で表される。
E:エネルギー m:質量 c:光速度
熱、光を促す化学反応は「質量とエネルギーの等価性」を利用したものと云える。しかし、質量のうち7千万分の1〜1億分の1程がエネルギーに変換されるだけである。変換効率は極度に悪い。
現代の科学技術で最も効率の良いものは核融合であるが、質量のうち1000分の1をエネルギーに変換しているだけだそうだ。

対して、対消滅は質量が100%エネルギーに変換される。
アルミニウム1グラム(例えば1円玉、1枚)と、反アルミニウム1グラムを対消滅させれば、
熱量換算で約180兆キロジュールになる。広島に投下された原子爆弾「リトルボーイ」の熱量は約63兆ジュール。約3倍近い熱量換算である。
つまり、1円玉1枚同士で「リトルボーイ」の3倍の爆発が起こる計算である。

其の異世界では極小の反物質生命体たちが蠢(うごめ)いていた。
「かかれ!」
彼等はどう戦うのか?
1万の妖気が発せられた。気、念で動かすのである。
すると極小の反物質生命体たちは小さな天体程の大きさに各、集められた。
「須佐之男殿!」佐助が用意が出来たと云っている。

「ネビルよ、此のオリハルコンの天体を作動してくれ」
《解りました》

ウイイイイイ–――――ン

作動とはブラックホールのことである。
王子の白狐軍も護法魔王尊(鞍馬天狗)軍も佐助軍と同様に反物質生命体を集めて用意していた。
「転送!」
各異世界に居た反物質生命体がオリハルコン人工天体の前に集められた。
「ブラックホール始動!」

ぐおおおおおおおおーーーーーーー!!

オリハルコン人工天体の前に巨大な黒い空間が現れ、反物質生命体を吸い込み始めた。
反物質生命体は渦を捲きながら吸い込まれ、互いにぶつかり合い、塵へと破壊された。反物質同士の衝突など対した爆発は起きない。只のゴミだ。素志て闇の穴に吸い込まれた。
「ネビル、あの穴の空間の先は?」
《わたしたちの科学力で可能な、尤も遠い宇宙へ移動させます。此処に視得る反物質生命体も其処へ移動させましょう》
「此れで随分と力を発揮出来なく成った筈」

ぐわおおおおおおーーーーん!

オリオンの反物質生命体が大きく揺らいだ。怒りだ。間もなく、其処から無数の何かが飛んで来た。
「あれは、奴が作った反物質ブラックホール天体だ!特大の爆弾だぞ!物凄い数だ」
《あの数が当たれば此のオリハルコンで出来た人工天体も危ない》
「皆の者、戻れ!転送する。ブラックホール天体を破壊しろ!」
人工天体中に居た須佐たちも宇宙空間へと出て行った。
人工天体からは例のオリハルコンの神具が無数のミサイルの如く、発射された。
軍が宇宙空間に転送された。ヒヒイロカネの武器で切刻む者、気で進路を変え、ブラックホール天体同士を衝突させ、粉々にする者。神具は竜巻のようなものを起こした。瞬く間にブラックホール天体を破壊し始めた。
しかし、無数に絶え間なくブラックホール天体が飛んで来る。
「此れでは本体に何も出来ない。よし!」
《須佐之男殿、どうするのです。まさか・・・》
「オリオンの反物質生命体を倒して来る」
《貴方一人で?無理です。お止めなさい!》
「あなた方は転輪聖王の力も利用してくれ。さあ、彼処まで転送だ」
然う云うと須佐之男は消えた。

須佐之男はオリオンの反物質生命体の近くに出た。現宇宙では1つの生命体である。異世界から呼び寄せ増殖を続けていた。
「凄まじい大きさの化物だ」
不定形ではあるが、其の大きさは木星ほどの大きさはあった。

{貴様、何だ?}

「何だ?頭の中でオゾマしい声がした」須佐之男はまさか?と思った。
「お前か?化物。喋れるのか?」

{儂(わし)は、どんどん進化してるわ。よくも身体の一部を破壊してくれたな。身の程知らずが}

「お前は此の宇宙に存在してはならないものだ」

{何様のつもりだ?貴様。人工生命でも生きるのは自由だ}

「お前は只の破壊者だ。後悔も良心もない只の屑(くず)だ」

反物質生命体が変化を始めた。
「何だ?」
其れは、巨大な炎と雷に包まれた、羽のある動物に視得た。いや、動物では無い。化物・・・・としか云いようが無いオゾマしい姿だ。
「古代スフインクス・・・・か?」

ぐわあああああああーーーーーーーーああああ!!

其の咆哮(ほうこう)は、此の世のものではない。宇宙中に響き渡った。

{我は転輪聖王なり!}
| 10:00 | 須佐妖戦帖 | - | trackbacks(0) |
| 1/13 | >>